検閲耐性は、分散型メディアの基盤技術がもたらす最も強力な、そして最も論争を呼ぶ特性のひとつである。いかなる単独の権力者にも消せない情報を発信できるということは、表現の自由の砦であると同時に、コンテンツ管理に対する挑戦でもある。各国の政府がプラットフォーム企業にコンテンツの取り締まりを強め、プラットフォーム自身もますます大きな編集判断を下す中、検閲に耐えうる情報発信の基盤への需要は、政治的・思想的な立場を超えて広がっている。

言論インフラの驚くべき集中

現代のインターネットは、情報の流通基盤を驚くほど少数の企業に集中させている。CloudflareはWeb全体の大部分にDDoS防御(大量アクセス攻撃への防御)を提供する。AWS、Google Cloud、Azureがインターネットアプリケーションのほとんどをホストする。AppleとGoogleがモバイルアプリの配信を支配する。VisaとMastercardがオンライン決済の大半を処理する。これらの企業のうちほんの数社が足並みを揃えるだけで、事実上どんな発信者でも沈黙させることができる。

この集中は実際に行使されてきた。2021年、AWSはSNSのParlerをわずか72時間でサービスから追い出した。決済会社はアダルト産業、大麻、銃器販売など合法な事業から決済手段を切断してきた。Cloudflareは合法だが物議を醸すコンテンツを掲載するサイトへのサービスを停止している。個々の判断には擁護の余地があるかもしれない。しかし全体として見れば、民間企業が民主的な説明責任も適正手続きの保証もなしに、公共の言論に対して政府のような支配力を行使する情報基盤が出来上がっている。

検閲耐性は、特定のコンテンツの是非について立場を取るものではない。「少数の企業がインターネット上で何を発信できるかを決める力を持つべきか」という、構造の問いに向き合うものである。

ブロックチェーンが検閲耐性を実現する仕組み

ブロックチェーンを使ったメディアの基盤技術は、いくつかの仕組みを通じて検閲耐性を提供する。

分散型ストレージのネットワーク(IPFS、Arweave、Filecoinなど)は、中央のサーバーではなく世界中に散らばったノード(参加コンピュータ)にコンテンツを保管する。暗号学的なハッシュ値(データの「指紋」のようなもの)でアドレスが決まるため、ネットワーク全体を制圧しない限りコンテンツを改ざんも削除もできない。Arweaveの「パーマウェブ」モデルは一度の支払いで永続的な保管を提供し、一度公開されたコンテンツを理論上は何世紀にもわたって維持する。

ブロックチェーン上への直接記録は、コンテンツをブロックチェーンのネットワーク上に直接書き込む方法である。文章を含むEthereumの取引記録は、ネットワークが稼働する限り消えない不変の台帳の一部になる。大容量のメディアファイルには取引手数料の面で限界があるが、短い文章――論考、報告書、データの公開――は現実的な費用でブロックチェーン上に残せる。

分散型のドメインシステム(ENSやHandshakeなど)は、従来のドメイン紛争処理で差し押さえることのできない名前の仕組みを提供する。IPFSに保管されたコンテンツに紐づく.ethドメインは、単一の組織が支配しないアクセス経路を作り出す。

P2P(端末間直接通信)型の配信ネットワークは、特定の入口がふさがれてもコンテンツが入手できることを保証する。メディア配信のためのBitTorrent型の仕組みは、検閲を「もぐら叩き」に変える。つぶされるよりも速くコンテンツが再出現するからだ。

これらの技術が組み合わさることで、単一の弱点で検閲が成立しない発信の基盤が形成される。コンテンツは冗長に保管され、暗号学的に特定され、分散型のシステムで名前がつけられ、端末間の直接通信で届けられる。

実際に役立つ場面

検閲耐性は抽象的な原理ではない。複数の場面で具体的な情報ニーズに応えている。

権威主義体制下のジャーナリズムが最も説得力のある使い道である。報道の自由が制限された国で汚職や人権侵害を調査するジャーナリストは、地元の検閲当局が削除できない永続的なストレージに発見を公開できる。国際的なジャーナリスト保護団体「国境なき記者団」が、まさにこの目的でブロックチェーン上の発信手段を模索し始めている。

内部告発者の保護も恩恵を受ける。告発内容が分散型ネットワークに公開されれば、いかなる法的脅威も企業からの圧力もそれを撤回させられない。情報は恒久的にアクセス可能になるため、潜在的な告発者のリスク判断を軽くする。

科学的な誠実性の面では、政治的・商業的な理由で抑圧される恐れのある研究データの保存に使える。永続ストレージに公開された気候データ、製薬の治験結果、公衆衛生の統計は、組織的な圧力の下でも書き換えられたり取り下げられたりしない。

金融の透明性という用途もある。企業の不正、市場操作、制裁違反の証拠をブロックチェーン上に記録すれば、関係する当事者がどれほど強力であっても証拠は残り続ける。

コンテンツ管理との矛盾

検閲耐性は、コンテンツ管理の必要性との間に本物の緊張関係を生む。反体制ジャーナリストを守るインフラは、違法コンテンツ、ハラスメント、偽情報の発信者も同様に守ってしまう。これは仮定の話ではない。分散型プラットフォームは、中央集権的なサービスなら削除されていたであろうコンテンツを繰り返しホストしてきた。

この矛盾への解決策は、「保存する層」と「表示する層」の設計上の分離にある。データの層――ブロックチェーンと分散型ストレージ――は検閲耐性を維持する。一度公開されたコンテンツは残る。アプリケーションの層――ユーザーが触れる画面、検索機能、SNSのフィード――はどのコンテンツを表示するかを決めるルールを実装する。

つまり、コンテンツが本当に「消される」ことはないが、表示するかどうかはアプリ側が判断する。分散型のSNSは特定のコンテンツの表示を拒否できるが、その裏にあるデータはストレージに直接アクセスすれば入手できる。これにより、高いリスクがある場面で検閲耐性の特性を保ちつつ、日常的な利用者にはコミュニティに適したコンテンツの基準を適用できる。

批判者はこの区別が不十分だと主張する。有害なコンテンツがデータ層でアクセスできる限り、管理は表面的に過ぎないと。擁護者は、それがまさに図書館やアーカイブの運営方法だと反論する。情報を承認するのではなく保存し、アクセスには意図的な努力を要するようにしている、と。

法的な複雑さ

検閲耐性は、国境を越えた法的な執行を難しくする。ある国で合法なコンテンツが別の国の法律に違反する場合がある。分散型の基盤技術は国境を尊重しないため、国内法と世界中からアクセスできるデータの間に衝突が生じる。

たとえば、EUのGDPR(一般データ保護規則)が定める「忘れられる権利」は、技術的に変更不可能なブロックチェーンのストレージと真正面から衝突する。個人データが書き換えられない台帳に記録されている場合、個人はどうやってデータの削除権を行使すればよいのか。この問題の法的判断はまだ途上にある。アプリ層でデータにアクセスできなくすることが、法の文言ではなく趣旨を満たすと主張する見方もある。

同様に、中央の仲介者を通じて機能するコンテンツ削除命令――ホスティング会社へのDMCA通知(著作権侵害の削除要請)、ドメイン登録業者への裁判所命令――は、コンテンツが分散型ネットワーク上にある場合には実効性を失う。分散型の基盤技術に直接対応する新しい法の枠組みは避けられないが、現時点では存在しない。

ノード(ネットワーク参加コンピュータ)を運営する人の責任問題も未解決である。IPFSのノードを動かすことが、他者がアップロードしたあらゆるコンテンツをホストすることを意味するなら、ノードの運営者はそのコンテンツに対して法的責任を負うのか。ほとんどの法体系が、分散型ストレージの文脈ではまだこの問いに取り組んでいない。

段階的な検閲耐性という考え方

すべてのコンテンツが同じ水準の検閲耐性を必要とするわけではない。政治的な反体制者の証言には最大限の永続性が求められる。レストランの口コミにはそこまで必要ない。コンテンツの種類に応じて適切な水準の検閲耐性を提供するシステムの設計は、新しい課題である。

一部のプロトコルは段階的なモデルを導入している。コンテンツを異なる永続性の保証で公開できるのだ。一時的な投稿は期限が来ると消え、通常の投稿は本人が削除でき、永久保存の投稿は永遠に残る。発信者が内容ごとに適切な検閲耐性の水準を選べるわけだ。

発信者の実績に応じた段階分けも別のアプローチである。信頼性の実績があるアカウントはより永続的な層に公開でき、新規や匿名のアカウントはより一時的な場に限定される。実績ある発信者の検閲耐性を損なわずに、悪用への自然な障壁を設ける仕組みである。

重要ポイント

  • 検閲耐性は、実質的にコンテンツの生殺与奪権を握る少数の企業への言論インフラの集中という構造問題に対処する
  • 分散型ストレージ、ブロックチェーンへの直接記録、分散型ドメイン、P2P配信が、単一の弱点のない発信基盤を形成する
  • 権威主義下のジャーナリズム、内部告発者の保護、科学データの保存、金融の透明性が実際の応用先である
  • コンテンツ管理との矛盾は、検閲耐性を持つデータ層と、表示ルールを適用するアプリ層の分離で対処される
  • 「忘れられる権利」との衝突、国境を越えた管轄権の問題、ノード運営者の責任など、法的な枠組みが追いついていない
  • コンテンツの種類に応じて永続性の水準を変える段階的なモデルが、有望な設計の方向性である

検閲耐性は万能薬でも絶対的な権利でもない。表現の自由、コンテンツ管理、情報の誠実性に深い影響を持つインフラの特性である。今まさに構築されている仕組みが、今後10年のインターネットが異論の余地を保てるか、それとも公共の言論の管理がさらに少数の手に集約されるかを左右するだろう。